今一度物流KPIについて考える 結果系KPIと要因系KPI

ビジネスを実施していく際にはその状態を正しく示す重要経営指標であるKPIKey performance indicator )が必要です。これなしにビジネスを進めることは暗闇であてもなくさまようようなものだからです。

 

物流業では特にこのKPI管理が苦手のようです。売上高や経費、利益の把握はできていたとしても、それにつながる従業員一人あたりの売上高とかトラック一台あたりの利益といった管理指標を持つ会社は少数派です。

 

ということで物流をマネジメントするためのKPIについて真剣に考えていく必要がありそうです。

 

KPIには仕事が終わった結果見えてくるKPIと、その結果につながるプロセスで見えてくるKPIの二種類があります。前者を「結果系KPI」、後者を{要因系KPI}と呼びます。

 

この二つのKPIの関係は要因と結果ということにありますから、結果をよくするためには要因系KPIをしっかりと向上させていく活動が重要だということになります。

 

例えば結果系のKPIとして「トラック一台当たりの利益」を持ったとしましょう。これを向上するためには運行経費を縮める必要があります。

 

その経費の一つとしてトラックドライバーの給与というものがあります。残業が増えれば給与が増え、利益が減る方向につながります。

 

ということで「一運行あたりの残業時間」というKPIが考えられます。この残業をKPIとして見える化することで残業圧縮につなげたいところですが、必然的に残業が発生してしまう要因があるとしたらそれについても見える化してウオッチしていくことが求められます。

 

その大きな要因が発荷主構内における「待ち時間」です。指定された時刻に積み込みに行っても積荷が揃っていないということで待たされることがあります。従いまして、この点を解消しない限りドライバーの残業は圧縮できないことになるのです。

 

ということで「コース別トラック待機時間」というKPIを設定し日々管理していく必要があるのです。具体的な待機時間の数値データが無い限り荷主に申し入れをしても耳を傾けてくれないでしょうから、このデータを日々把握することは後々大きな武器にもなり得ると考えましょう。

 

以上の様に最終的に会社経営の数字をよくするためにはそれを構成する仕事単位にKPIを設定し、結果につながる要因系KPIを向上させていく活動を行っていくことが求められます。

 

ではもう少し具体的にどのようなKPIを設定していったらよいのかについて考えていきましょう。

 

 

次回に続きます。

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